ユニファ株式会社
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数字の前提が揃うと、現場の判断が変わる。保育SaaSユニファが「ルクミー」の商談・契約・請求をつないで作った"同じ目線で動ける"基盤

(左から)事業企画部システム企画課 課長 佐藤 和徳氏 同 鄭 永在氏
個々人が整理したデータを持ち寄ると、どうにも話が噛み合わない。よく確認するとそもそもデータ抽出の前提がズレている。そんなデータの分断に悩んだ経験を持つ組織は少なくないだろう。保育総合ICTサービス「ルクミー」を展開するユニファ株式会社も、商談・契約・請求のデータが分断され、収益の全体像を同じ前提で語れる人が限られていた。従来利用していたサブスクリプション管理ツールのSalesforce連携機能の廃止を契機に「ソアスク」を導入し、商談から請求までをSalesforce上で一気通貫につなぐ基盤を整備。誰もが同じ数字を見て、金額を前提に判断できる状態を実現した。導入プロジェクトを主導した事業企画部システム企画課 課長の佐藤 和徳氏と、同課の鄭 永在氏に聞いた。
- 商談・契約・請求を別システムで管理 レポートは管理職が手作業で作成
- 現場がSalesforce上で日々使えるか 複雑な課金要件への現実解としてソアスクを選定
- 誰もが同じ数字を見て判断できる現場へ 金額差異が発生した際の原因究明、アクションの優先順位付けが容易に
- AIがデータを取りに行く時代へ 一貫した収益データを次の基盤にする
商談・契約・請求を別システムで管理 レポートは管理職が手作業で作成
ユニファ株式会社は、少子化が進む一方で共働き世帯の増加により需要が高まる保育の現場を、保育士不足・業務過多という社会課題の解決を通じて、保育や子育て業界を支える企業だ。保育総合ICTサービス「ルクミー」のプロダクトは、午睡チェックセンサー等のハードウェアをSaaSモデルで提供するほか、園や施設の先生が撮影した日常写真や、運動会や発表会等のイベントにプロカメラマンを派遣し写真を販売するフォト事業等も展開している。
その契約・請求管理の難しさには2つの層がある。1つは課金そのものの複雑さだ。サービスの数が多く、園や施設の状況に合わせた各プランをベースにしながらも、契約内容に応じて必要な機能を追加・選択するケースがある。キャンペーンや割引も期間・プランごとに適用条件が異なり、課金設計は複雑になりやすい。もう1つは契約・請求実務の複雑さである。保育業界では自治体の補助金を利用してサービスを導入する園や施設が多く、自治体ごとに異なる要件・フォーマットに合わせて契約期間や支払形態を組み、契約書や請求関連書類の記載要件にも対応する。施設の統廃合に伴う契約変更が発生することも少なくない。課金と契約実務が複雑であるほど、分断されたデータを人手でつなぐコストは膨らみ、収益の全体像を同じ前提で語れる人が少なくなっていく。同社にとってデータの一貫性は、業務の問題である以上に、収益を管理する基盤の問題だった。
実際、導入前のユニファでは、商談はSalesforce、契約受注はオペレーション部門の別ツール、請求はさらに会計システムと、データも、それを見ている人もバラバラだった。

「営業メンバーが管理するSalesforceの商談の中に、金額が具体的には入っていませんでした。どれくらい見込める商談なのかを把握しにくいまま、現場はアクション目標だけを頼りに動いていました。商談と実際の契約金額、そこから発生する請求をすべて別のシステムで管理していたので、金額に差異が出ても追跡して照合する術がなく、原因の特定に時間がかかっていました」(鄭氏)
解約率や顧客単価といった指標を出せるのも、業務を熟知した特定の人に限られていた。
「管理職の方たちは色々なところからスプレッドシートをかき集めて、自分でクロス集計していたようです。複数ツールの権限を持つ特定の人にしかレポートが作れない、という状況でした」(佐藤氏)
転機は2023年頃。利用していたサブスクリプション管理ツールのSalesforce連携機能の廃止が告知された。基幹システムであるSalesforceの画面から見積・契約・請求データを操作できる点を評価して利用していたため、これをきっかけに管理システムの刷新を検討することになった。
「Salesforceとの連携機能がなくなる状態で、新しいシステムを入れずに今のまま運用していくのは難しいと判断しました。スプレッドシートへの置き換えも考えましたが、契約変更などの際に過去のデータを参照しながら管理するのはやはり難しい。何らかのシステムの仕組みが必要だと考え、新しいサブスク管理ツールの検討を始めました」(佐藤氏)
現場がSalesforce上で日々使えるか 複雑な課金要件への現実解としてソアスクを選定
システム刷新プロジェクトでは、Salesforce社からの紹介も受けながら、ソアスクを含む複数のサービスを比較検討した。基幹システムとして長年利用してきたSalesforceとの親和性を第一の条件として2製品に絞り込んだ。

「もう一方のサービスは統制や決済まわりの専門性が強く、社内ではそちらを推す部門もありました。ただトータルで考えたとき、現場が日常のSalesforce業務の中で使えること、複雑な課金への対応を相談しながら進められること、そういった点でソアスクのほうが弊社には合っていると判断しました。コスト面でも、以前のシステムからの移行費用を含めて十分ペイできる範囲でしたので」(佐藤氏)
プラン構成や要件についてはソアスク側と相談しながら詰めることができ、その柔軟さも複雑な請求業務を行う同社には合っていたという。
導入前の懸念は、大量データの処理に耐えられるか、そして短いスパンのプロジェクトで移行が間に合うかの2点だった。サポート契約のもと、データ移行用のツール提供を含む支援を受けながら進めたことで懸念は解消され、スケジュール内に移行を完了できたという。
誰もが同じ数字を見て判断できる現場へ 金額差異の原因究明、アクションの優先順位付けが容易に
| 導入前 | 導入後 |
|---|---|
| 商談・契約・請求のデータが別々のシステムに分かれ、金額の差異が出ても原因を特定するのに時間がかかった | 商談から契約、請求までSalesforce上でつながり、差異が出た際も最初の見積もりまで追跡できるようになった。 |
| 商談に見込み金額が紐づかず、現場はアクション目標を頼りに動いていた | 金額をもとに、営業活動の優先順位も判断できるようになった。 |
| 解約率や顧客単価などの指標を出せる人が限られていた | Salesforceのレポートで誰でも同じ数字を取得できるようになった。 |
| 個人ごとに整理したデータを持ち寄るため、会議や判断の前提がズレやすかった | 全員が同じ前提の数字を見られるようになり、同じ目線で議論・判断できるようになった。 |
ソアスク導入後、商談・契約・請求のデータがSalesforce上でつながった。大きく変わったのは、単にデータを参照しやすくなったことではない。誰が見ても同じ前提の数字を確認でき、その数字をもとに現場やマネージャーが判断できるようになったことだった。
導入前は、商談・契約・請求が別々のシステムで管理されていたため、金額に差異が出ても、どこでズレが生じたのかを追跡するのに時間がかかっていた。導入後は、商談の見積もりから契約、請求までを一気通貫で確認できるようになり、差異が発生した際の原因究明が容易になった。
「営業メンバーが見ている商談と、契約、請求など、それぞれ別々のシステムで管理されていたところが、一気通貫につながりました。何かあったときに最初の商談の見積もりまで追跡できるので、金額に差異が出たときでも原因究明がとても簡単になりました。原因がわかると改善策も立てやすくなるので、システム企画としても進めやすくなっています」(鄭氏)
現場の動き方も変わった。商談に見込み金額が紐づいたことで、営業担当者は単なるアクション数ではなく、金額などを踏まえて優先順位を判断できるようになった。マネージャーも、個人が整理したスプレッドシートではなく、Salesforce上の同じレポートを前提に会話できる。解約率や顧客単価といった指標も、特定の熟練者に依存せず確認できるようになった。

「以前は個々人が整理したデータを持ち寄ると、前提がズレてしまっていました。今は全員の前提が揃っているので、同じ目線で動くことができています」(鄭氏)
「商談・契約・請求の金額が、Salesforce上で誰でも簡単に取れるようになりました。以前は営業メンバーが自身で担当施設の状況を確認するのも大変でしたが、今は担当している園や施設の契約状況や請求金額もすぐ見られます。基幹システムとしてのパフォーマンスがかなり上がったと感じています」(佐藤氏)
業務面でも、以前は1プロダクト1契約という見積もりの作り方で、オプションも別プロダクト扱いになるため契約書が複数枚になり、電子契約の送付も複数回必要だった。現在はその工数が解消され、承認フローもSalesforce内で完結している。別の業務システムに残っていた反社チェックなどの業務も統合が進む。社内試算では、営業部門・契約管理部門・請求部門全体で年間3,000時間以上の業務削減効果が出ているという。
AIがデータを取りに行く時代へ 一貫した収益データを次の基盤にする
ユニファでは過去の写真データや保育日誌からレポートを自動生成する機能や、音声を活用した開発など、プロダクト側でのAI活用を推進している。その視線は社内のデータ基盤にも向かう。両氏が今後の鍵として挙げるのは、揃った前提の先にあるAI活用だ。
「ソアスクを使うことで、データがきれいに整理されてAIが活用しやすい状態になっているんですね。たとえば見積もりを作ったタイミングで、『こういう提案をしたら受注確度が上がりますよ』とか『この提案まだ入れていないですよ』といったメッセージが見積画面に出てきたら、とても良いと思っています」(鄭氏)
「データの一貫性が持てていない企業がソアスクを導入すると、メンテナンスがしやすくなるのはもちろん、現場でのデータ利活用への効果がとても大きくなると思っています。AIがデータを取りに行く時代を見据えると、人が見られる状態にデータを一貫させておくことが最低限の土台になる。ソアスクへの切り替えは、そのきっかけの一つになり得ると思っています」(佐藤氏)
※記載されている内容は、取材当時のものです。(取材日:2026年6月4日)