【トップ対談】「奉行シリーズ」OBC和田社長が語る、40年の歴史を積み上げた選択と未来を創る決断

今日の先駆者: 株式会社オービックビジネスコンサルタント 代表取締役社長 和田 成史氏
聞き手: 株式会社オプロ 代表取締役社長 里見一典

「顧客第一主義」のもと、企業の基幹業務システムのパッケージソフトウェアメーカーとして、主に中堅企業及び中小規模の企業にフォーカスしたソリューション「奉行シリーズ」の開発、販売、保守サービスを提供しているオービックビジネスコンサルタント(OBC)。

同社は1980年に設立し、長期に亘りERPパッケージ製品を中堅、中小企業向けに提供し市場で高い評価を受けています。2015年からは製品のクラウド対応を始めており、新たなクラウド化の流れの中でも万全な体制、セキュリティで顧客満足度向上に努めています。OBCでは製品のクラウド化とともに、サブスクリプション型のビジネスにもいち早く移行しています。
OBCがこれまでどのようにビジネスに取り組み、企業のIT活用に貢献してきたのか、そして今後一層加速するクラウド化の流れの中で、どのようにビジネスを展開するのか。OBC 代表取締役社長の和田成史氏に、オプロ社長の里見が話を伺いました。

※本インタビューは2020年9月に実施されたものです。

会社経営では常にチャレンジすることが大事

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里見
​さっそくですが、OBCのこれまでのビジネスについてご紹介をお願いします。
 
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OBC
和田社長
OBCという会社は1980年にスタートし、既に40年程経ちます。会計、人事、総務、給与といった企業の基幹業務のパッケージソフトウェアを提供しており、それらを中堅企業向けには「奉行V ERP」、中小企業向けには「奉行iシリーズ」という製品で提供氏、顧客数は50万社ほどになります。
OBCは40年間ずっと、パートナービジネスの形でやってきました。全てをパートナー様とご一緒し、あらゆる取引をパートナーと行っています。オプロさんともお互いの強みを生かし、役割分担して協力する形でビジネスをご一緒できればと思います。そういった中で、今回こういった機会を持てたことは大変ありがたいことだと考えています。
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里見
​非常にありがたいお言葉をいただき、ありがとうございます。いろいろお話を伺いたいのですが、まずは和田社長ご自身のことについて、少し教えていただけますか。
 
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OBC
和田社長
私は学校では会計の勉強をして、卒業の際にはなんとか公認会計士の資格を取得できました。そこからまずは、専門学校で公認会計試験の試験対策講座の講師を数年します。そうこうしているうちに、PCが世の中に出てきました。そこでPCの上で自分が学んだこと、つまりは会計、簿記の仕組みをシステムとして構築し、それで社会に貢献したいと考えたのがOBCを創業するきっかけです。
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里見
​もともと私は外資のITベンダー出身で、そこでは研究所のコンピュータや工場の生産管理システムなど、ERPの基幹系システムとは少し遠いところにいました。今回このような機会をいただいたこともあり、改めてERPについて勉強し直すつもりで御社のサイトをじっくり拝見しました。それで驚いたのが、御社の成長のスピードです。たとえば、1990年代バブルが崩壊している最中にもかかわらず、ものすごい数の支店を出されている。あの勢いはいったいどこから生まれたのでしょうか。
 
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OBC
和田社長
1つは若さで怖さを知らなかったのでしょう。それから、常にチャレンジすることは社員にも伝えています。挑戦については、それを目指すようにとずっと発信してきました。実は当時の社員は、それほど速いスピードを出しているとは思っていなかったかも知れません。
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里見
バブル崩壊時にこのスピード感というのが本当に驚きます。
 
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OBC
和田社長
そうですね、変革に対し挑戦する気持ちがないとできなかったでしょう。当時は毎年のように支店を増やし、5、6年で10数支店を立ち上げ全国をカバーしました。経営で1つ大事なのは、勢いだと思います。勢いがあるときに、やれることの精一杯のチャレンジをする。そういう気持ちは、極めて大事なことです。

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里見
​それが今も現れているなと感じたのは、コロナ禍でも中小企業向け給付金のためのさまざまな施策を迅速に出されていることです。そういったことも、やれるときに精一杯チャレンジする考えからきているのでしょうか。
 
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OBC
和田社長
OBCでは、互いに役割分担して協力するための「チームOBC」を大事にしています。このチームOBCが40年間の成長を生み出していると思います。
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里見
​なるほど、それがあのような動きにつながっているのですね。そしてそういったことからも、2014年に藍綬褒章を受章することになったわけですね。
 
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OBC
和田社長
そういうわけでもありません。実は私は、コンピュータソフトウェア協会の会長を4期8年やりました。その際、ちょうど民主党政権時代の仕訳がありました。廃止された中に高校生、大学生など20歳以下の人たちを対象に、国の予算を数千万円使って開催していた「U-20 プログラミングコンテスト」がありました。これをなくして、若い人たちの夢を奪ってはならないと、ソフトウェア会社が集まりみんなでお金を出し合い、それを残すことにします。このソフトウェア会社が力を合わせて若い人たちの教育の機会を作った活動に、後で経済産業省が大いに感謝することになります。結果的に、当時ソフトウェア協会の会長だった私が、代表してこの褒章をいただくことになったのです。
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里見
大変いいお話を聞かせていただきました。私の人生の中で、天皇陛下から褒章をいただいた方にお会いしたことはなかったので、すごく印象に残るお話でした。

クラウド化はデジタル変革の重要な要素でありOBCはそのパートナーにマイクロソフトを選んだ

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里見
ところで、大きく成長しつづける御社ですが、これからさらに成長していく中で、クラウドへの対応もあるかと思います。しかしながらクラウドは、主に営業支援やマーケティング支援などで使われているもので、オプロでも見積書の作成など営業支援の領域のソリューションとなっています。ここ最近はいくつかERPもクラウド化されていおり、御社もクラウドへの参入を果たしていますが、和田社長はクラウドについてどのように捉えてらっしゃいますか。
 
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OBC
和田社長
クラウドは重要だと考えています。
クラウドというのは、デジタルトランスフォーメーションの重要な要素です。デジタル化によってイノベーションが起きます。デジタル化しなければ、イノベーションが起こらないまま過去のものになってしまう。あらゆる産業において、イノベーションを起こさなければ厳しい時代に突入します。それが企業のデジタルトランスフォーメーションだと思います。 そういった中で、会計もクラウド化してイノベーティブな世界に入っていく。
我々も、大きく変わらなければ生き残れないのです。それを確信していたので、7年前から準備をし、5年前から開発を開始して4年前にはOBCの社内開発は100%クラウド化しています。 あらゆる産業がクラウドシフトをする必要があります。これがデジタルトランスフォーメーションというメッセージが、世界で発信されている原点だと思っています。そのため会計も、クラウド会計になるわけです。
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里見
​クラウドで動かすのは、どちらかと言えば軽いソフトウェアという印象があります。ERPとなると、重いですよね。大きく重たいシステムをクラウド化するのは、かなり大変なのではないですか。
 
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OBC
和田社長
おっしゃるとおりです。本当に大変です。しかしやらなければ生き残れないのは分かっていたので、十分な準備をしました。
大事な点は、どこをプラットフォームにするかでした。OBCは開発環境としてマイクロソフトを選びました。マイクロソフトはクラウドに毎年数千億円の研究開発投資をしています。その研究開発投資のメリットを全て享受するには、マイクロソフトのクラウド上で開発することです。全て自社でクラウド化したら大変なことになります。Microsoft Azure上に奉行のクラウドプラットフォームを載せ、その上で必要なアプリケーションを作るのです。
マイクロソフトでは、彼らがデータセンターを運用し、セキュリティからデータベースやC#などが使える開発環境などあらゆるもの用意しています。そこに奉行用のフレームワークを載せています。この構成で必要なセキュリティや信頼性、可用性を担保し、ERPのアプリケーションを提供できるようにしています。
この構造はスマートフォンと同じだと言えます。スマートフォンはコンシューマですが、土台となるスマートフォンがあり、その上でさまざまなアプリケーションが動いています。そのビジネス版がMicrosoft Azureであり、その上で動くOBCのERPアプリケーションになります。
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里見
​実際オプロでも御社のアプリケーションとの連携を作らせていただきましたが、かなり楽にスッと構築できました。我々のソアスクというアプリケーションは、Salesforce.comの上で作っており、Azureとは異なるところにあるのですが、つなぐのはすごく楽でした。
 
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OBC
和田社長
実はOBCのERPのプラットフォームは、パートナー様向けのものになっています。自社だけでビジネスを行おうとは、OBCではまったく考えていません。常にパートナーと一緒にやるようにしています。
OBCには2つの「ないもの」があります。多くのベンダーには直販の営業組織がありますが、OBCにはありません。またSEと呼ばれる技術者がいますが、OBCにはそれもいません。 じゃあ誰がいるのかと言うと、パートナーと一緒にコンサルティングを行う営業担当がいます。それと顧客をパートナーと一緒にフォローする技術メンバーがいます。またプロダクト開発の技術者はいますが、彼らは顧客のもとには行かずにSalesforceなどパートナーとの連携の仕組みなどを開発することになります。
つまりOBCには売る人とSEがいなくて、サービスするものを開発する人とコンサルティングする人がいることになります。そして保守サポートは、作った人とセールスのエンジニアが当番制で行っています。サポートセンターを用意し、製品を作った人がサポートすることを伝統的に行っているのです。開発者が直接サポートするので、大きなトラブルにはなりません。
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里見
​なるほど、見事にビジネスコラボレーションができる体制ができあがっているのですね。よくこういう形を作り上げられましたね。
 
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OBC
和田社長
これは、手作りで積み上げてきた結果でもあります。

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役割分担と協力であり、それが選択と集中になる

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里見
​クラウドのビジネスとなると、月額課金のサブスクリプションになるかと思います。サブスクリプションビジネスについては、どのように考えていますか。
 
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OBC
和田社長
これからの時代は、多くのものが従量制のモデル、サブスクリプションに変革すると考えています。それが当たり前になります。たとえば会計の仕組みも1つのインフラ機能として、自動的に展開されるようになるでしょう。その際には、製品だけの価値だけでなく、周りも含むさまざまな価値を組み合わせて活用するようになる。そういった使い方になれば、自然と従量制モデルが都合の良いものになります。
実はデジタルトランスフォーメーションやサブスクリプションの流れは、2010年くらいから始まっていると思っています。きっかけはスマートフォンです。キャリアやメーカーなどの協力でスマートフォンはできあがっており、その構造はレイヤー型です。スマートフォンは、コンシューマのサブスクモデルの完成版だと言えます。ハードウェアは最初に買いますが、ユーザーは使うのに利用料しか払っていません。
ビジネスの世界も、レイヤー型の世界に変わっていくでしょう。そうすると、さまざまなものを組み合わせて価値を生み出すことになる。これはある意味パートナーモデルのOBCが今までやってきたことであり、それをレイヤー化して選択と集中でサービスとして提供するものです。 このときに我々は賭けをして、一番下のレイヤーではマイクロソフトを選びました。
ビジネスの世界であれば、マイクロソフトであろうと考えたのです。マイクロソフトのCEOがナデラ氏の体制になり、独自なものを捨てオープンな選択をしました。それで、マイクロソフトは勝つと考えたのです。捨てるものがあるからこそ、マイクロソフトが勝つと。そこから一気に、OBCではAzureでの開発に投資しました。そして2020年9月には、ほぼ製品の全容がクラウド化を完了しました。これからは、さらにそれをブラッシュアップします。
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里見
​なるほど。我々もサブスクリプション型では、単純な見積もりを作るとかだけでは難しいと考えています。さまざまなサービスを組み合わせてどう使うか、それをしっかりサポートする必要があると考え、ソアスクに取り組んでいます。そしてソアスクとOBCさんの会計の連携もさせていただき、これによりしっかりとした価値を提供できるようにしたいところです。
 
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OBC
和田社長
それはまさに役割分担と協力であり、選択と集中になります。我々もしっかりと役割を果たし、それにより社会貢献をしていきます。その際には自分たちだけでは足りないので、御社の強みのところとしっかり連携し価値を上げていく。そういった形で、さらに進めていけるよう是非協力してください。
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里見
​力強いお言葉をありがとうございます。この若輩者のためにも、さまざまなご支援をいただければと思います。今後ともよろしくお願いします。
 
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OBC
和田社長
こちらこそよろしくお願いします。大事なのはチームワークです。そして、オープンな開発をしていれば、必ず勝てるでしょう。その上で危機感を持ちながら精一杯の力を常に出し続けるのです。パートナーとは運命共同体です。これからも是非一緒にやって行き、さらに輪を広げていければと思います。

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